映画「蝉しぐれ」をCATVで見た。
いやー、泣いたよ。 もうね、切なくて切なくて、あれこそ正に日本の耽美だね。 恋焦がれる想い、ままならない思い、耐え忍んでもかなえられることのない想い。それらすべてが胸の内に秘められて、最期の最期まで吐露されずに、やっぱり二人はすれ違っていく。 感情を抑えて抑えて、決して昂ぶることなく、想いが深まって深まって、自然にあふれ出てくるような。 これはもう日本人にしか表現のできない領域だなぁって。 感情や自己主張を表に出すことが苦手な日本人。 規律や習慣に縛られて没個性的な日本人。 個よりも和を重んじる日本人。 良くも悪しくも、日本人ならではの感性ってものがある。 自分の背景にある文化的なバックボーン、物の見方、感じ方、そういったものはもう否定のしようがない。 日本人として、日本人の感性で、物事をしっかりと感じられる。それがあるからこそ、異文化を感じる新鮮さ、驚き、喜びもある。 自分の立脚点を大切にしていきたいね。 #
by taromiles
| 2007-04-09 15:56
| 感想
自分の力量を見失わないようにしたい。
今の職場は「俺はできる!」「俺は凄い!」とアピールしたがる人間が多い。 それが全体の気風としてあるから、弱い人間は残らないし、残る人間は傲慢になる。 仕事を上手く運ぶことよりも、自分の力を誇示すること、人の手を借りないで業務をこなすことに執心してしまい、仕事の目的が見えなくなる。 昨日出張して戦ったところは、特にそうやって自分の力を誇示する人が多いところだった。 入ってふた月くらいの新人の娘が、意地を張ってフォローを拒否していた。加えて、俺に「大丈夫ですか?」と、気遣っているポーズをとってみたりする。 その実、自身の仕事が山積していて、余裕がないにもかかわらず、ね。 このままでは仕事が回らないからと、俺が無理矢理割って入ってフォローしたら、凄い形相で止めに入った。 俺は「仕事が回ってないときにそれをきちんと見極めて、人に頼ったり人を使ったりするのも強さなんだよ」と言ったら、かなりムッとした様子で引き下がった(笑)。 あれは彼女の性格というよりは、あの場所の先輩たちが一様にああいう態度を見せているから後輩も自然とそうなるんだろうね。 根性はあるのに、もったいないよね。 仕事というのは、自分がいかに重要な役割を果たすかではない。今ある戦力で目的をいかに効率よく達成するか、それだけなんだ。 自分の力量を見せ付けるような、自己満足の仕事の仕方をしていたんでは、その人の力量の伸びしろにも、早いうちに限界が見えてきてしまう。 自分の力でできることは精一杯こなす。ただ、自分の力がどこまで及ぶかをきちんと知っておいて、無理があるときは人に頼む。人に頼る。人に助けてもらう。もっと言うと「人に頭を下げて頼める自分でいる」「助けてもらえる自分でいる」ということ。 そういう自分でいれば、どんな状況でもなんとか破綻せずに乗り越えていける。そうやってひとつひとつ乗り越えていくことで、自分の力も際限なく伸びていく。自分の力の伸びしろに限界を作らない、ということなんだ。 意地や負けん気は必要だよ。 でもそれは人に見せるものじゃない。自分の腹の中にグッと溜めて、地に足をつけて一歩一歩力を伸ばしていくしかないんだ。 いつだって自分の力量をきちんと知っていたい。 等身大の自分を見失わずにいきたいよね。 #
by taromiles
| 2007-03-12 15:24
| 想い
今日の俺はダメだった。
人に優しくできなかった。 これじゃダメだ。 厳しい状況だったとは思う。 一緒に戦った面子がきつかったってのもある。 戦力不足だったのは確かだ。 でも今考えると、もっと振り絞れたように思う。 頭を取ってる俺がイライラしちゃダメだよね。 イライラを見せちゃダメだ。 立てるべきを立てていなかった。 気遣うべきを気遣えていなかった。 ただただ仕事が回らないことにイライラしてた。 他人はどうでも、自分が120パーセント振り絞っていかなきゃ。 振り絞ればまだまだやれたはずなんだよ。 周囲がどうであれ、イライラするのは自分が振り絞れていないからなんだ。 もっともっと力をつけないといけない。 いつも振り絞って、他人に優しくできるように、もっともっと強くならないといけない。 きっと俺は、そこそこ力をつけて、思い上がってたんだろう。 謙虚さをなくしかけてたんだろう。 謙虚さをなくしたら終わりだ。 いつだって初心に帰らなくちゃいけない。 反省しよう。 #
by taromiles
| 2007-02-17 01:37
| 想い
後輩が仕事を辞めた。
彼女は昨年の4月に日本にやってきた中国からの留学生で、この職場に来て4ヶ月くらいか・・・・・ 正直言って仕事ができる娘ではなかった。 言われたことを真面目にやろうとするけれど、元来のおっとりした性格と要領の悪さで、一緒に仕事をするといつもいつもいつも、かなーり足を引っ張ってくれた(笑)。 それでも俺は、彼女ができない分は俺が倍動いてフォローして、その上できちんと仕事ができるようにしてあげるのが先輩としての役目だと思って、イライラした顔は見せずに常に笑顔で接して教えてきた。 真面目だし、やる気のある娘だったからね。 でも辞めるって。 やっぱりここで働いていることが辛いみたいだね。 仕事ができない人に甘い職場ではないし、それが外国人ならなおさらね・・・・・ 俺は彼女のことを悪く言う同僚にいつもムカついてた。 お前、自分が右も左も、言葉さえわからない外国に行って仕事しなくちゃならなかったらどうだ?、想像できねぇか?。 知らない国に来て頑張ってる人に親切にできなくてどうすんだ。それってお前の力の無さだよ。引いては日本人の器の小ささなんだよって、いっつも思ってた。 日本って国は、外から来る人にとって決して親切な国ではない。 小さくてセコイ人間たちの集団だよ。 彼女は1月末で辞めた。 スケジュールの関係で最後の挨拶もできなかったんだけど、今日ね、出勤して自分の机の引き出しを開けたら、彼女から俺への書き置きが見つかった。 以下引用。 ” TAROさん ここで仕事をする間、いろいろお世話になりました。 一緒に仕事をする時、いつもTAROさんに迷惑をかけるが、TAROさんは全然怒っていなかった。いつも手伝ってくれたり、いろいろ教えてくれたりして、ありがとうね! これは中国から持って来た物、記念として、あげるよ。 ” って、とっても拙い日本語で綴ってあった。そして小さな中国結びの壁掛けがひとつ、一緒に入ってた。 俺はちょっと泣いたと思う。 生きている中で久しぶりに、本当に久しぶりに他人の、混じりっけのない剥き出しの気持ちにふれたような気がした。 ああ、わかってたんだ・・・・・って。 少なくとも何かを感じていたんだなって。 俺は彼女に気持ちをかけた。心をかけた。 彼女はそれに何かを感じて、俺に何かを残していきたいと思った。自分の気持ちを残していきたいと思った。 それは感謝だったのかもしれないし、親愛だったのかもしれないし、もっともっと瑣末な、小さな小さな感情だったのかもしれない。 でも彼女は確実に、俺に気持ちを残していった。心を残していった。 残したいと思ったから、残していった。 人と人が触れ合って心を通い合わせるって、こういうことなんだね。 決して大袈裟なことじゃない。 でもそこには確実に気持ちが通い合う何かがある。 彼女にはそれがわかってたんだ。 俺の周囲の多くの日本人が理解していないことを、中国から来た彼女が理解していて、難なく行動に移して見せたことは、俺にはちょっとした驚きだった。 きっと頑張ってる人は頑張ってる人の気持ちがわかるんだね。 この壁掛けは、俺は一生大事にすると思う。 物が何であるかは問題じゃない。 でもこの中国結びには、彼女の気持ちがある。心がある。 もう会うこともないだろうけど、あるときに確かに気持ちが通い合ったことの証明なんだ。 一生自分の宝にしよう。 誇りにしよう。 これから生きていくなかで、こういう宝物がたくさんたくさん増えていったら、とても素敵だよね。 #
by taromiles
| 2007-02-05 03:02
| 想い
後輩が仕事を辞めた。
彼女は昨年の4月に日本にやってきた中国からの留学生で、この職場に来て4ヶ月くらいか・・・・・ 正直言って仕事ができる娘ではなかった。 言われたことを真面目にやろうとするけれど、元来のおっとりした性格と要領の悪さで、一緒に仕事をするといつもいつもいつも、かなーり足を引っ張ってくれた(笑)。 それでも俺は、彼女ができない分は俺が倍動いてフォローして、その上できちんと仕事ができるようにしてあげるのが先輩としての役目だと思って、イライラした顔は見せずに常に笑顔で接して教えてきた。 真面目だし、やる気のある娘だったからね。 でも辞めるって。 やっぱりここで働いていることが辛いみたいだね。 仕事ができない人に甘い職場ではないし、それが外国人ならなおさらね・・・・・ 俺は彼女のことを悪く言う同僚にいつもムカついてた。 お前、自分が右も左も、言葉さえわからない外国に行って仕事しなくちゃならなかったらどうだ?、想像できねぇか?。 知らない国に来て頑張ってる人に親切にできなくてどうすんだ。それってお前の力の無さだよ。引いては日本人の器の小ささなんだよって、いっつも思ってた。 日本って国は、外から来る人にとって決して親切な国ではない。 小さくてセコイ人間たちの集団だよ。 彼女は1月末で辞めた。 スケジュールの関係で最後の挨拶もできなかったんだけど、今日ね、出勤して自分の机の引き出しを開けたら、彼女から俺への書き置きが見つかった。 以下引用。 ” TAROさん ここで仕事をする間、いろいろお世話になりました。 一緒に仕事をする時、いつもTAROさんに迷惑をかけるが、TAROさんは全然怒っていなかった。いつも手伝ってくれたり、いろいろ教えてくれたりして、ありがとうね! これは中国から持って来た物、記念として、あげるよ。 ” って、とっても拙い日本語で綴ってあった。そして小さな中国結びの壁掛けがひとつ、一緒に入ってた。 俺はちょっと泣いたと思う。 生きている中で久しぶりに、本当に久しぶりに他人の、混じりっけのない剥き出しの気持ちにふれたような気がした。 ああ、わかってたんだ・・・・・って。 少なくとも何かを感じていたんだなって。 俺は彼女に気持ちをかけた。心をかけた。 彼女はそれに何かを感じて、俺に何かを残していきたいと思った。自分の気持ちを残していきたいと思った。 それは感謝だったのかもしれないし、親愛だったのかもしれないし、もっともっと瑣末な、小さな小さな感情だったのかもしれない。 でも彼女は確実に、俺に気持ちを残していった。心を残していった。 残したいと思ったから、残していった。 人と人が触れ合って心を通い合わせるって、こういうことなんだね。 決して大袈裟なことじゃない。 でもそこには確実に気持ちが通い合う何かがある。 彼女にはそれがわかってたんだ。 俺の周囲の多くの日本人が理解していないことを、中国から来た彼女が理解していて、難なく行動に移して見せたことは、俺にはちょっとした驚きだった。 きっと頑張ってる人は頑張ってる人の気持ちがわかるんだね。 この壁掛けは、俺は一生大事にすると思う。 物が何であるかは問題じゃない。 でもこの中国結びには、彼女の気持ちがある。心がある。 もう会うこともないだろうけど、あるときに確かに気持ちが通い合ったことの証明なんだ。 一生自分の宝にしよう。 誇りにしよう。 これから生きていくなかで、こういう宝物がたくさんたくさん増えていったら、とても素敵だよね。 #
by taromiles
| 2007-02-05 03:02
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